終活を始める方、終活を行っている方はどういう思いで始めましたか?
公益財団法人地方経済総合研究所の調査1によると「家族に迷惑をかけたくない」という気持ちで始めた方が71.2%と最も多かったとされています。
まず最初に手軽に始められる終活として、片付け、生前整理が手が付けやすいです。
片付けは残された家族の負担を減らすだけではなく、今までのあなたの生き方を振り返り、今後の自分の生き方を見つめなおすキッカケにもなるのです!
でもやっぱり片付けは面倒だなぁ・・・。
どこから手を付けたらいいかわからないし・・・。
そこで今回の記事は終活の片付けや生前整理について一緒に考えてまとめていきましょう。
この記事の執筆者 Dr.よだ: 2016年に医師免許取得。また浄土真宗西本願寺派の僧侶として教師資格も取得。現在は内科専門医として地域医療や緩和ケアを中心に勤務。地域社会と高齢化社会、生と死に向き合いながら医師として、また僧侶として活動中。終活や人生の豊かさについて考えています。
終活としての片付けの意味
終活を始める最初の段階として、片付けや生前整理はまず始めやすい活動です。
終活のイメージとしては断捨離などが挙げられるかもしれませんが、思い出の詰まったものをどんどん捨てていくのは抵抗がありますよね。
また片付けは体力も使いますので、30-40歳代など元気な時に始めるのがベストです。
思い立ったが吉日!
そこで終活における片付けの意味からまとめていきます。
今これからを身軽に生きるための行為
片付けや生前整理、ひいては断捨離は物への執着を軽減させることで、これからの生き方を身軽に感じることが出来るようになります。
またこれからの人生において、必要なものと不必要なものを考えることで余分な散財を減らし、本当に必要なもののみを引き継ぐことができますね。
残す人に迷惑をかけることの気がかりを減らす
経験したことがある人も多いかとは思いますが、亡くなった方の遺品整理は非常に大変です。
あなたがいなくなって遺品整理を行うときに沢山の物が残っていると、思い出の詰まった家具や服を処分する際に辛い思いをするかもしれません。
あなたが元気なうちにそれらを処分・あるいは引き継ぐことで家族や残された人たちの負担を減らすことにつながります。
自分の力で解決すべきという信念
生前整理は今まであなたが所有してきた財産の整理です。
その財産を責任もって自分の力で処分することで、自分の責任を果たしたという達成感を得ることができます。
また「残された人たちに任せずに、自分のことは自分でやるべき」と考える方は生前整理は非常に有意義なものになるでしょう。
片付けるメリット
片付けや生前整理を行うメリットはいくつかあります。
自分自身の今までの考え方を見直すものや、他者への思いやり、資金など様々なメリットがありますので解説していきます。
今までの生き方を振り返り心の整理もできる
片付けや生前整理を行うことで、今までの人生を振り返りながら心の整理もできます。
いままで使ってきたものを整理すると、その物に対する思い出を考えるきっかけになりますよね。
また今後必要なもののみを残すことで「人生の集大成への準備」と前向きに考えるきっかけとなることが多いです。
今までの人生を振り返りながら、あなたの今後の人生についても考えることが出来るようになります。
残る人たちの負担を減らせる
自分自身の物を整理することで、残される人たちの負担は格段に少なくなります。
あなたの物の中には家族と一緒にご飯を食べた食器、親戚からもらった家具などもあるかもしれません。
その食器を家族が処分するのはやはり残る人たちとしては辛いと感じるでしょう。
そういった負担を減らしてあげるためにも片付けは大切ですね。
思わぬ「お宝」が見つかることもある!
あなたの棚の奥底には意外と「お宝」が眠っていることもあります。
それに気付かず最期を迎えてしまうと、残された人たちは思い出いっぱいの遺品を売却するのは抵抗があります。
であればあなた自身がその「お宝」を発掘して適切に処分していきましょう!
売却して資金を今後の生活の足しにしたり、相続をしてもいいでしょう。
貴重なものは後世に引き継いでもいいでしょう。
どちらにしてもまずは整理して自分の持ち物を確認することが必要ですよね。
今後の目標・生きがいにもなる
生前整理を行うことで今までのあなたの人生を振り返ることができます。
すると、「今まで自分が何が足りなかったのか」「これからどのように生きたらいいのか」などを見直すことで今後の人生の目標や生きがいを見つけることが出来るきっかけになることもあります。
片付けるコツ
片付けや生前整理の意味やメリットについてはわかったけど、いざ片付けようと思うと面倒になったり処分するのに抵抗がありますよね。
これからは片付けのコツについてお話していきます。
整理することを前向きに考えてみる
思い出が詰まったものを処分したり捨てるのはやはりネガティブに考えてしまいますよね。
ネガティブに考えると手が進まなくなったり、やる気が削がれてしまいます。
そこで生前整理を前向きに考えてみましょう。
処分することは、あなたの今後の目標になったり、家族の負担の軽減につながります。
また売却して処分することで経済的にも豊かになってきますよね。
今後の人生をイメージしながらひとつずつ進めていきましょう。
心の整理もしながら「不要なもの」を判断する
いざ片付けを始めてみると何が必要か、何が不要か分からなくなりますよね。
そこで先ほどの今後のあなたの人生のイメージを思い出してみてください。
あなたが処分しようとしているのが「今後私の生活で使うものかどうか」で判断しましょう。
これからは家族との時間を大切にしたいなぁ
わたしの趣味をもっと突き詰めていきたいなぁ
ものの整理と一緒に心の整理をしながら「不要なもの」を判断して処分していきましょう。
捨てるのではなくて次の世代に引き継ぎたいものを選ぶ
それでもやっぱり捨てることには抵抗がある方は「次世代に引き継ぎたいもの」は何か、を考えてみましょう。
たとえば今まで集めたコレクションの骨董品。
今後骨董品があなたの人生を豊かにするかどうか。
豊かにすると考えられるのならば無理せずに処分は保留でいいと思います。
出来れば死後の扱い方はエンディングノートに書いておくのが良いでしょう。
次にその骨董品を次世代に引き継ぎたいかどうか考えます。
次世代に引き継ぎたいならば、知り合いや家族にその思いを伝えて相続しましょう。
あるいは寄贈でもいいかもしれません。
引き継ぎたいよりも、今後の人生を別のことで豊かにしたい思いがあるならば売却を考えます。
処分するかどうか悩んだら今後の生活を考えれば決断のきっかけになるかなと思います。
片付け業者に頼むのも良い
どうしても自分で片付けや整理がするのは面倒、やる気が出ない、一人で判断が出来ない場合は生前整理専門の業者さんに依頼するのも良いと思います。
プロに依頼した場合は生前整理や遺品整理だけでなく、片付けで散らかってしまった部屋の整理や、将来の事を見据えた整理など丁寧に対応してくれます。
見積もりは無料な場合がほとんどなので、生前整理を始める方や片付けを始める方は一度相談だけするのもいいでしょう。
ちなみに生前整理を専門とした業者はいくつかあるので自分で探す場合はこちらのサイトも参考にしてみてください。
複数業者で見積可能ですので心配なら複数見積するのも良いと思います。
片付ける方法
続いては片付けていく具体的な方法についてお話していきます。
①大きなものから片付ける
最初に始めるべきなのが大型家具や家電など大きなものです。
後回しにすると体力が落ちてきて処分に非常に手間取りますよね。
また、身体が不自由になってきた場合は可能なら居住スペースは広い方が安全です。
そのためまずは必要のない大きい家具類があればそちらから処分していきましょう。
②引き出しなど小さい範囲から始める
次に片付けるのは引き出しなど、とっかかりやすい範囲から始めていきましょう。
思い出の詰まったものを処分するのは非常に体力を使ってしまいます。
またいきなり張り切って大きな物置から始めると、一気にやる気がなくなってしまうかもしれません。
まずは少しずつでも処分していきましょうね。
③片付ける範囲を全部出してみる
続いて片付ける範囲が決まったら、まず何が入っているか出してみましょう。
奥に眠っている思いもよらないものも出てくるかもしれません。
まずはそこにある物を把握してみましょう。
そうすることで「この引き出しには○○。あっちの棚には△△。これはいらないから処分。」といった整理がしやすくなります。
大きな物置など、物が多すぎる場合は無理して全部出さないように気を付けてくださいね。
④捨てるよりも譲る・売れるかを考える
物によっては捨てるのに抵抗があったり、分別が難しいもの、ゴミ捨て場に持っていけないものなどが出てくると思います。
処分の方法は捨てるだけではありません。
わたしには必要ないけど、捨てるのは憚られるなぁといったものは親戚や知り合いに譲ってみましょう。
譲るほどでもないものは売ってしまいましょう。
こちらも生前整理の出張買取サービスもありますので必要な方は参考にしてみてください。
もしお近くに店頭で買い取ってくれるお店があれば、そちらの方がお得になることもあります。
処分する量が多くなって持ち運びが難しかったり、大きなものなどは出張買取が便利でしょう。
まとめ
今回は終活としての片付け、生前整理についてお話ししました。
普段の片付けとは違ってこれからの人生、またあなたが亡くなった後についても考えながら片付けをすることで、これからの景色が違って見えることもあります。
それの気付きが終活の始まりであり、今後の生活を豊かにしていく手助けになっていくと私は考えます。
参考文献
1)地方経済総合研究所. 「終活」に関する意識調査. 2017.
https://www.dik.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/05/p_syukatsu_1.pdf
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