終活において自身のお墓をどうするかは終活において大きな課題となります。
実際に始めようと思っても墓じまいには色々な手続きもあり、手順がよくわからないことも多いと思います。
そこで今回は終活に欠かせない墓じまいの手続きのやり方についてまとめようと思います。
この記事の執筆者 Dr.よだ: 2016年に医師免許取得。また浄土真宗西本願寺派の僧侶として教師資格も取得。現在は内科専門医として地域医療や緩和ケアを中心に勤務。地域社会と高齢化社会、生と死に向き合いながら医師として、また僧侶として活動中。終活や人生の豊かさについて考えています。
墓じまいとは
墓じまいの基本的な意味
墓じまいとはこれまで維持してきた墓地や墓石を撤去し、その土地を清算することを指します。
これには故人を別の場所へ改葬することや、遺骨を納骨堂に移すこと、さらには散骨や自宅での供養に切り替えることなどが含まれます。
墓じまいは単に物理的な撤去にとどまらず、故人との新たな関係の形成、供養の方法の見直しといった精神的な整理も伴うため終活の一環の活動としても挙げられます。
また法的な手続きや宗教的な儀式を適切に行う必要があり、これらは専門家のアドバイスを仰ぎながら進めることが一般的です。
近年の墓じまいの傾向と背景
厚生労働省によると近年日本における墓じまいの件数は増加傾向にあります。
その背景には高齢化社会の進行による跡継ぎ不足、核家族化や都市部への人口集中によるライフスタイルの変化、そして墓地の維持管理にかかる負担の増大などが挙げられます。
さらに個人の価値観の多様化により、従来の家族墓に代わる形態として納骨堂や樹木葬などへの関心が高まっています。
これらの社会的な変化は、墓じまい後の選択肢を多様化させ、個々のニーズに合わせた供養の形を選ぶことができることを意味します。
墓じまいを決めるまで
家族との話し合い
墓じまいを行うにあたり、最も重要なのは家族間での話し合いです。
一家の歴史を象徴する墓地に関する決定であるため、家族全員の意見を尊重し納得のいく形で進める必要があります。
合意形成の過程では、家族会議を開催し、それぞれの意見を聞くことが大切です。
一人で進めてしまうとトラブルの原因となってしまうので、遠方の親戚とも相談しながら決めていくのがいいでしょう。
代替の埋葬方法の検討
墓じまいを決めた後は、遺骨の行き先を決める必要があります。
散骨や樹木葬など、従来の墓地以外にも様々な埋葬方法があります。
これらの方法は土地の有効活用や維持管理の手間を減らすというメリットがありますが、それぞれに法的な規制や宗教的な制約が存在するため、事前にしっかりと情報を収集し、家族で話し合うことが重要です。
また最近では遺骨を納めるための納骨堂や共同墓などを選択する方も多く、選択肢の一つとして挙げられるでしょう。
法的・宗教的な手続きの確認
墓じまいには行政手続きや法的な側面が伴います。
例えば墓地の使用権の放棄や遺骨の移動には、市町村役場への届け出が必要です。
また宗教的な側面では、宗派によって墓じまいに対する考え方や必要な儀式が異なるため、所属する宗教団体に相談することが肝心です。
墓じまいを行う際にはこれらの法的・宗教的な要件を遵守することで、故人に対する最後の敬意を表し、遺族としての責任を果たすことになります。
墓じまいの手続きの流れ
墓じまいの事前準備
墓じまいを行う前には、いくつかの確認事項があります。
まず墓地の使用権が誰の名義になっているかを確認し、その人が墓じまいの手続きを行うことができるかを確認する必要があります。
また墓地管理者との契約内容を再確認し、墓じまいに関する規定があるかどうかを調べます。
さらに、改葬に関する法律や自治体の規則を理解し、必要な手続きや書類を把握しておくことが重要です。
これらの事前準備を怠ると、手続き中に予期せぬ問題が発生する可能性があります。
必要書類の収集
墓じまいには複数の書類が必要です。
具体的には、「埋葬(納骨)証明書」、「受入証明書(永代供養許可証)」、「改葬許可申請書」の3点が挙げられます。
これらの書類はそれぞれ現在のお墓の管理者や新たな納骨先の管理者、自治体から取得する必要があります。
書類の取得には時間がかかることもあるため、余裕を持って準備を進めることが大切です。
また、申請者の情報や死亡者の情報を正確に記載し、必要に応じて印鑑を用意することも忘れてはなりません。
墓地管理者への連絡
墓じまいの手続きを開始するには、まず現在の墓地管理者に連絡を取り墓じまいの意向を伝えます。
また改葬許可申請書が交付された後は、新たな納骨先の管理者にも連絡を取り納骨式の手配を行います。
この際に魂抜きや魂入れなどの宗教的な儀式が必要になる場合があるため住職などの宗教者との調整も必要です。
行政手続きの詳細
墓地使用権の放棄
墓地使用権の放棄にはいくつかの行政手続きが必要です。
まず現在のお墓の管理者に「埋葬(納骨)証明書」を交付してもらう必要があります。
これはお墓がある公営霊園の場合、市区町村が窓口となることもあります。
次に新たな納骨先のお寺や霊園の管理者から「受入証明書(永代供養許可証)」を取得します。
これらの書類が準備できたら、「改葬許可申請書」を自治体に提出し、改葬の許可を得ることが必要です。
散骨や手元供養を行う場合は、これらの手続きが異なる可能性があるため、事前に市区町村に問い合わせることが重要です。
役所への届け出
役所への届け出には「改葬許可申請書」の提出が中心となります。
この申請書には死亡者の情報と申請者の情報を記載し、関係する印鑑を押印します。
申請書は遺骨が納骨されている自治体に提出し、各種書類に不備がなければ約3日〜1週間程度で改葬許可が交付されます。
この際手数料が発生する場合もあるため事前に確認しておくことが望ましいです。
その他の関連手続き
墓じまい後の遺骨の扱いについても、適切な手続きが必要です。
例えば改葬許可証が発行された後は、現在の墓地管理者に許可証を提示しお墓の解体や魂抜きの手配を行います。
また新しい納骨先での納骨式や魂入れの法事を行う際にも、改葬許可証の提示が必要になります。
自宅供養や散骨を行う場合はこれらの手続きが不要になることもあるため、事前に確認しておくことが大切です。
実際の墓じまい作業
墓じまいは先祖のお墓を整理し、土地を返却する一連の作業を指します。
上述のように遺骨の改葬には自治体への「改葬許可申請」が必要であり、これには「埋葬(納骨)証明書」「受入証明書(永代供養許可証)」「改葬許可申請書」の3つの書類が必要です。
散骨の場合は改葬にあたらないため「改葬許可証」の発行はありませんが、お寺や霊園によっては「改葬許可申請書」がないと遺骨を出してくれないこともあるため事前の確認が重要です。
遺骨の取り扱い
遺骨の取り扱いにはまず現在のお墓の管理者から「埋葬(納骨)証明書」を取得することから始まります。
その後新たな納骨先の管理者から「受入証明書(永代供養許可証)」を取得し、最終的に「改葬許可申請書」を自治体に提出して改葬許可を得る必要があります。
これらの書類は、遺骨を新たな場所へ移す際の法的な手続きを確実にするために不可欠です。
墓石の撤去と処分
墓石の撤去には改葬許可が下りた後に進められます。
墓地管理者へ「改葬許可申請書」を提出し、改葬が認められたことを確認した上でお墓の解体作業に入ります。
この際魂抜きの儀式が必要な場合は、お寺に依頼することが一般的です。
墓石の処分には専門の業者を利用することが多く適切な方法で処理されます。
墓地の復旧作業
墓石の撤去後は墓地の復旧作業が行われます。
これには土地を元の状態に戻す作業が含まれ、場合によっては植樹や芝生の再植えなどが行われることもあります。
最終的には土地をお寺や霊園の管理者に返却し、墓じまいの作業は完了します。
よくある質問とトラブルシューティング
費用と時間の目安
墓地の使用許可を取得する際の手続きや墓地の使用を終了する際の手続きには、それぞれの自治体によって異なる費用や時間がかかる場合があります。
一般的に墓地の使用許可を取得するための手続きには、数万円から数十万円の費用がかかることが多いです。
費用が足りない場合には銀行に相談しメモリアルローンを契約することもできます。
また手続きにかかる時間は申請から許可までの期間を含めて数日から数週間程度となることが一般的です。
ただし自治体や墓地の種類や場所によっては費用や時間が大きく異なる場合もありますので、事前に確認しておくことが重要です。
終活によるかかる費用はこちらにまとめています。
トラブル発生時の対処法
墓地の使用に関するトラブルが発生した場合、まずは関連する自治体の窓口や、墓地の管理者、業者に相談することが推奨されます。
墓地の使用を終了する際の手続きに関するトラブルや墓地の使用許可を取得する際の手続きに関するトラブルなど、さまざまなケースが考えられますので、具体的な状況や内容に応じて適切な対処を行うことが必要です。
おすすめの墓じまい業者は?
墓じまいには業者に依頼することで手続きや遺骨の移送のサポートをしっかり行ってくれます。
失敗しないためにも墓じまいの専門家である業者に相談するといいでしょう。
わたしたちの墓じまい
わたしたちの墓じまいでは日本全国に対応しており、特にお寺とのトラブルがあった場合に対応してくれるようです。
口コミからも行政の手続きなど墓じまいの全般的なサポートも行ってくれます。
また創業18年と業績もあり、信頼できる業者となっております。
ミキワの墓じまい
ミキワの墓じまいでは墓じまいの全般的なサポートに長けています。
こちらでは墓じまい後も手厚く、海洋散骨等の希望やお坊さんの派遣等の希望にも沿ってくれます。
また実際に依頼した97.2%の方が満足されています。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は終活において重要な墓じまいの手続きのやり方についてまとめました。
終活においてのお墓は墓じまいだけでなく、あなた自身の死後の在り方について考える必要があります。
お寺や業者に相談しながら納得のいく墓じまいを行いましょう。
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