終活を考えるなら知っておきたい病院の役割!

皆さんは終活をどのように始めようと思っていますか?
エンディングノートを書き始める方、断捨離から行う方もいるかもしれません。

終活を始めようと思っても一人で始めるのは心配な事がおおいです。
また周りに相談しようと思っても、なかなか相談しにくい問題も多いかと思います。

そこで今回は終活に欠かせない終活と病院の役割についてまとめようと思います。

この記事の執筆者

Dr.よだ:
2016年に医師免許取得。また浄土真宗の僧侶として教師資格も取得。現在は内科専門医として地域医療や緩和ケアを中心に勤務。地域社会と高齢化社会、生と死に向き合いながら医師として、また僧侶として活動中。終活や人生の豊かさについて考えています。

終活とは

終活の目的

終活とは人生の最後をどのように迎えるか考え、その準備や計画をする活動のことを指します。

具体的には遺言の作成、葬儀のプランニング、財産の整理、エンディングノートの作成など、様々な事項が含まれます。

終活の主な目的は、あなたの死後のことをあなた自身がしっかりと計画し、残される家族や親しい人々に迷惑や困惑をかけないようにすることであることが多いです。
また、自分の意志をきちんと伝え、自分らしい最後を迎えるための活動でもあります。

終活の重要性

高齢化社会が進む中で、自分の死をどのように迎えるか、またその後の手続きや家族への負担を考えることが必要になってきたことから、終活の重要性が高まってきています。
終活を行うことで、あなた自身の意志がしっかりと反映された形での葬儀や遺産分けが行えるため、家族間のトラブルを防ぐことができます。

終活は自分の「もしもの時」にどのような対応をしてもらいたいか、家族に自分の気持ちを知ってもらうための大切な活動です。
事前にしっかりと準備をしておくことで、残される家族や友人が迷わず、また悔いのない形で手続きを進めることができます。

終活はあなたの人生の終わりをどのように迎えるかを考えることで、現在の生活や人間関係をより豊かにするきっかけともなります。
自分自身の死を意識することでいままでを振り返り、今後の生活を見つめなおすことで人生の質を向上させることができます。

病院と終活

病院での終活の取り組み

病院は人々の健康を守る施設でもありながら、多くの人が死を迎える場所ともいえます。
そのため終活の取り組みは病院において非常に重要な役割を果たしています。

多くの病院では、患者さんや家族が安心して最期を迎えることができるよう、終活や緩和ケアに関する様々なサポートを提供しています。

具体的にはアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の取り組みを行っている病院も増えてきています。
ACPは、患者自身が自分の治療やケアについての希望や意向を事前に伝えることを目的とした取り組みで、患者さんの意志を尊重し、最期を迎えるにあたって最適な医療を提供するための大切なステップとなっています。

医療者の役割と終活

医師や看護師などの医療者は、患者さんの健康を守るとともに患者さんの人生の質を高める役割を持っています。

医療者達は、他の方よりも多くの最期の時を看取っており、最期を迎えるための具体的な取り組み方をアドバイスすることができます。
また緩和ケアを専門とする医師や看護師もおり、患者の意志や希望を尊重し、その意見に基づいた医療を提供することも医療者の役割となっています。

その他ソーシャルワーカーやケアマネージャーに相談することで、介護や地域の情報を得ることもできます。

終活は患者本人だけではなく、医療者や家族、特に介護に関しては地域全体も関わる大切な取り組みです。
医師たちは患者や家族の終活の取り組みをサポートし、終活を通してより良い最期を迎えるためのお手伝いを行うことができます。

実際の終活の取り組み事例

安佐市民病院の取り組み

広島県の県北の中核を担う安佐市民病院では、終活の取り組みとして患者やその家族に対して終活の重要性を伝える啓発活動を行っています。


終活する前に知っておくべき病院の仕組み [ 広島市立北部医療センター安佐市民病院 ]

こちらの『終活する前に知っておくべき病院の仕組み』では安佐市民病院が監修した本で「イザ」入院したら、「イザ」癌と申告されたら、など「イザ」に備えるために地域基幹病院としての安佐市民病院の仕組みについて詳しく説明されています。

終活と病院との具体的な関わりがよく理解できる書籍となっています。

小鹿野中央病院の取り組み

埼玉県の小鹿野中央病院では終活の一環として「入棺体験」を実施したそうです。

実際に棺の中に入り、『死』を主体的に考えることを目的としています。

参加者のアンケートでは7割の人が終活について考えるきっかけになり、面白い企画だったとのことです。

この病院では地域包括ケアという地域密着型の医療を通して、地域全体で安心して死を迎えられるような取り組みを行っています。

終活を進める上での注意点

医療者の言葉はアドバイスとして受け取る

終活を進める過程で、医療者とのコミュニケーションは欠かせません。

以前は医師の助言は絶対のように受け取られることもありましたが、現在は一般の方でも専門的な知識にアクセスできるようになりました。

医療者は助言をおこないますが、医師の意見は絶対の意見ではなくアドバイスとして受け取り、あなた自身の意見をもって自分自身の最期を考えることが大事であると思います。

家族とのコミュニケーション

終活はあなた自身の取り組みであると同時に、家族や周りの方との共同の取り組みでもあります。
そのため家族や関係者とのコミュニケーションは終活を進める上での大きな鍵となります。

終活の内容や意向、エンディングノートの場所を家族に伝えることで、理解や協力を得ることができますし、遺言の有無などもしっかり伝えておくことでトラブルを避けることができます。

終活を進める上で家族や医療者などの専門家とのコミュニケーションは欠かせない要素です。
お互いの意見や希望を尊重し共感する姿勢を持つことで、スムーズに終活を進めることができるでしょう。

終活のスタート方法

自分の意志を考えてみる

終活を始める第一歩は、自分の意志を明確にすることです。
何を大切にしたいのか、どのような最期を迎えたいのか、自分の中でしっかりと考えをまとめることが重要です。

具体的には、遺言の内容、葬儀の形式、財産の分配方法など、さまざまなテーマについて考えることが求められます。

しかしながら最初から自分の意見を決めていくのは難しいと思います。
実際に自分自身の最期を安易に明確にするのは好ましくありません。
そのためエンディングノートなどのツールを活用しながら、自分の考えを少しずつ具体的に形にしていきましょう。

専門家に相談してみる

終活について考えるにあたって自分一人で考える必要はありません。
終活の活動を挙げている病院や、終活カウンセラー、弁護士や行政書士が終活の専門といえるでしょう。

また終活セミナーや講義が行われることもあるので、そのセミナーに参加することで終活のスタートを行いやすくなるでしょう。

かかりつけ医を探そう

かかりつけ医とは

かかりつけ医とは、身近で健康に関することを何でも相談できる医者のことを指します。
さらに必要な時には専門医療機関を紹介してくれる医療機関も「かかりつけ医」として定義されています。

国や日本医師会では、かかりつけ医の存在を「何でも相談できるうえ、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」として定義しています。

つまり、かかりつけ医は、日常の健康管理のことや悩み事ごとを気軽に相談できる存在として、市民と医療機関の窓口としての役割が期待されています。

かかりつけ医の探し方

かかりつけ医を探す際の主な方法として以下のような方法が挙げられます。

・風邪や予防接種など、軽微な診療をまず受けてみる。

・地域の病院のホームページを参考にしてみる。

・近所の口コミを参考にして医療機関を訪れてみる。


高齢になっても歩いて、あるいは公共交通機関で通いやすい範囲で信頼できるかかりつけ医を探しておくことは、シニアライフを安心して過ごすための重要なステップとなります。

また急に入院が必要になった際や、家族の介護などの相談も聞いてくれるようなかかりつけ医を探すといいでしょう。

まとめ

終活は、自分の人生の最後をより良くするための取り組みです。
自分自身だけで考えるには難しいことも多く、病院と連携し終活に取り組むことで最期に向けての不安を減らすことができます。

いろいろな病院の終活に対する考えを知り、あなた自身も相談しながら取り組んでいきましょう。

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