【終活:エンディングノートの書き方】記載例を最も詳しく解説

エンディングノートを始めようと思うけど、書き方が分からない

エンディングノート始めたけどなかなか書けないなぁ

皆さん、終活ははじめてますか?
終活を始める方は生前整理や意思表明などを行っているのではないかと思います。

エンディングノートを記載することで、あなたの情報や意思表示を記すことが出来ます。
またあなたの情報をまとめることで、今までの人生の振り返りをすることが出来ます。
しかしエンディングノートには情報を書くところが多く、なかなか手が付けられない人も多いと思います。

そこで今回の記事ではエンディングノートの書き方を詳しくお伝えしようと思います。
最低限どこまで書いたらいいかどうかなど参考にしてくださいね。

この記事のまとめ

➣エンディングノートは自分を見直せる道具として使える
➣エンディングノートは最低限書けるところから始めましょう
➣エンディングノートについて難しく考えすぎない

この記事の執筆者

Dr.よだ:
2016年に医師免許取得。また浄土真宗西本願寺派の僧侶として教師資格も取得。現在は内科専門医として地域医療や緩和ケアを中心に勤務。地域社会と高齢化社会、生と死に向き合いながら医師として、また僧侶として活動中。終活や人生の豊かさについて考えています。

エンディングノートとは

エンディングノートとは自分の人生の最終段階や死後での、自分の希望や考えなどを記載しておくものです。
遺言状とは違って法的効力がないことには注意してください。

終活を始めるにあたって、あなたの考えをまとめることが出来る資料になりますし、振り返ることで自分を見直す道具として利用することが出来ます。
またあなたの死後だけでなく病気になって入院した時などに、家族の方がエンディングノートを参考にすることで様々な手続きをすることが出来ます。

エンディングノートの形式は問いません。
専用の市販のエンディングノートでもいいですし、自身のノートやメモでも構いません。
最近ではアプリもありますし、パソコンのデータとして残すのもいいですね。

今回は最もメジャーなコクヨのエンディングノートを参考に書き方をまとめますので、今からエンディングノートを書く方はこのノートを用意してくださいね。


コクヨ エンディングノート もしもの時に役立つノート 終活 遺言 遺言書 遺言ノート 備忘録 KOKUYO 4901480257648 [M便 1/2]

こちらのノートはエンディングノートに必要な項目が分かりやすくまとめられておりおすすめです!

エンディングノートは何歳で書くのがいい?

Q
エンディングノートはいつ書くのがいいの?
A

いつ書いてもいいです!
家族や知人の病気や、あなたの病気が原因で健康に不安を感じた際に終活を始めるきっかけとなります。
そのきっかけのタイミングでエンディングノートを書いてみましょう。

エンディングノートはいつ書いても構いません。
なぜならいつでもその情報は書き加えることもできるし、訂正することも出来るからです。

経済産業省の調査では30歳代でも約3割近い人、70歳代では半数以上の人がエンディングノートを作成するつもりであることが明らかになっています。

エンディングノートを何歳から作成するか
画像引用:経済産業省 安心と信頼のある「ライフエンディング・ステージ」の創出に向けた普及啓発に関する研究会報告書

しかし実際にエンディングノートを作成している人は少ないことが現状です。
書いた方がいいと思いながらもなかなか手が付かないのは、書くのが面倒な方や書き方が分からない方が多いのでしょう。
そんな方はこの記事を参考にして作成してみてください。

エンディングノートの作成のきっかけ

実際に作成した方は何をきっかけにして作成することになったのでしょう。
こちらも経済産業省の調査を元にみてみます。

画像引用:経済産業省 安心と信頼のある「ライフエンディング・ステージ」の創出に向けた普及啓発に関する研究会報告書

作成のきっかけは「家族の死去や病気に伴う相続」「書籍や雑誌などで存在を知った」ことで作成を始める方が多いようですね。

エンディングノートはどこに書いたらいい?

Q
エンディングノートは何に書くのが良い?
A

市販のエンディングノートだと書き方も丁寧に教えてくれます。
しかし形式は問わないので、ノートやメモ帳に記載しても大丈夫です。

エンディングノートの形式は問いません。
専用の市販のエンディングノートでもいいですし、自身のノートやメモでも構いません。
最近ではアプリもありますし、パソコンのデータとして残すのもいいですね。

アプリやデータで残す方は、機種変更などを契機にデータが消えてしまうことが無いように気を付けなければいけません。
始めて書く方はわかりやすいように市販のノートを買うのが良いと思います。

エンディングノートの書き方

では早速エンディングノートを書いてみましょう。
コクヨのノートの順番にまとめていきますが、あなたが書きやすいところから書き始めましょう!
また書き直しが出来るようにボールペンではなくて鉛筆など、書き直しが出来るペンで書きましょう。

おすすめは ①じぶんのこと⇒②家族・親族⇒③資産のこと から書いてみましょう。
これらの項目は今でもすぐに調べて記載することができ、なにが突然の不幸があったとしても最低限連絡先を参考にすることが出来ます。

また相続や資産、自身の思いがある方はそちらから書き始めても構いません。
好きに書いていいのです。難しく考えすぎずにまず書いてみることが大切です。

じぶんのこと

この項目ではあなた自身の基本情報をまとめる項目です。
以下の情報を記載しておきましょう。

・名前
・生年月日
・現住所
・本籍地
・電話番号/FAX番号
・携帯番号
・現在の勤務先とその連絡先
・過去に住んだことある住所
・健康保険証・運転免許証・パスポート・住民票コードなどの番号や保管場所

これらの情報はあなたの死後に何かあった時に住民票の世帯主の変更や各種手続きに必要なことが多いので、しっかり記載しておきましょう。

また入院した際には、家族に健康保険証やお薬手帳などを取ってきてもらう必要があるので最低限でも以下の番号と保管場所を記載しておきましょう。

健康保険証・運転免許証・マイナンバーカード・年金手帳・障害者手帳・お薬手帳

本籍地が分からない方は住民票を請求しましょう。
また地域によってはマイナンバーカードがあればコンビニで発行できますよ。
運転免許証があれば警察署や免許更新センターのICカード読み取り装置を利用すれば分かります。

資産のこと

この項目ではあなたの保有している資産をまとめる項目です。
重要な情報が多いので管理には十分注意が必要な項目ではあります。

なお資産については専門的な知識が必要になることもあるので、不安な方は税理士さんに相談してもいいでしょう。

預貯金について

この項目では預貯金や、銀行口座の情報をまとめておきます。

・金融機関
・支店名(支店番号)
・預貯金の種類(普通など)
・口座番号
・口座名義
・インターネットバンキングのID
・備考欄(積み立てや給与振込口座など)
・口座自動引き落とし(電気代など)
・クレジットカードのブランドとカード番号
・カード紛失時の連絡先

この項目は注意しなければ悪用される恐れがあります。
心配であれば通帳・印鑑の場所は家族に直接伝えておくのが良いでしょう。

暗証番号は記入しないようにしてください。
銀行口座の暗証番号は多くの場合、本人と家族の身分証明、銀行届出印があれば確認可能なことがありますので、暗証番号は記入しなくて大丈夫です。

積み立てNISAなどの口座も記載しておきましょう。
あなたが亡くなった後、非課税口座開設者死亡届出書などが必要になってきます。

株式・投資信託・有価証券など

この項目では株式・投資信託・有価証券などについてまとめます。

・証券会社
・口座番号
・口座名義
・ID
・仮想通貨の取引所や所有通貨
・金やプラチナなど取扱会社

株式や株価については記載していなければあなた以外は分からないことが多いです。
以前は郵便で届くこともありましたが、最近はインターネットで完結することも多く、エンディングノートに記載しておかなければ全く気付かれないので注意してください。

人によっては口座も多く、あなたの資金を把握するためにも記載しておきましょう。

不動産

この項目では所有している不動産などについてまとめます。

・不動産の種類
・名義人
・持ち分
・所在地
・登記簿記載内容

登記簿の記載内容については出来るだけ書いておきましょう。
また一戸建ての場合は土地と建物は分けて記載してくださいね。

保険・年金

保険や年金については以下の情報をまとめておきましょう。

・保険会社
・保険内容
・どんな時に保険請求するか
・契約者・被保険者・受取人
・証券番号
・保険期間
・保険料
・連絡先
・基礎年金番号
・企業年金や個人年金

医療保険や火災保険、自動車保険など、あなたにもしものことがあった時に家族がきちんと請求できるようにしっかり記載しておきましょう。

火災保険の保険受取人は物件の登記上の所有者となりますので確認が必要です。

また生命保険などに加入している場合は受取人が誰になっているかで「相続税」や「贈与税」のどちらに課税されるか変わってきます。
一般的に贈与税が最も高くなることが多いですが、税負担を軽減する方法もあります。
心配な場合は無料相談もありますので税理士ドットコム税理士紹介エージェントで税理士さんに相談してみておくのもいいでしょう。

ローンや貸しているお金

最後にローンなど借りているお金や、人に貸しているお金をまとめておきましょう。

・ローンの借入先や借入日
・借入残高
・担保の有無
・借金の保証人になっているか
・お金を貸した人の連絡先や金額
・サブスクリプション

借金などの負債や、保証人も相続の対象になってしまいます。
あなたの借金や債務などを家族が知っておかないと思わぬトラブルに巻き込まれることになってしまうので、忘れずにまとめておきましょう。

特に車や家のローンは揉め事になることがありますので注意が必要です

その他資産

・美術品や骨董品など
・自動車など
・貸金庫やレンタル倉庫の有無

骨董品などの貴重品も財産にあたります。
基本的には生前整理で処分しておくのが望ましいですが、難しい場合は処分すべきかどうか明確にしておきましょう。

またサブスクリプションは解約しないと永久に支払い続けることになります。
新規加入した場合は忘れずに書き直しましょう。

気になること

あなたにもしものことがあった時に気になることを記載しておきます。
例をまとめますが、その他気になることがあれば書き込んでおきましょう。

携帯電話やwebサイト

まずはよく利用する携帯電話やwebサイトについてまとめます。

・携帯の契約会社や料金プラン,名義人
・携帯番号、メールアドレス
・パソコンのメーカーやプロバイダ
・よく利用するwebサイト名や登録ID,登録メールアドレス
・宝物やコレクションの保管場所や処分の仕方の希望

パソコンや携帯電話自体にロックをかけている場合は、忘れずに暗証番号を記載しておきましょう。
携帯電話の解約のためには携帯電話自体が必要となってくることもあるので、保管場所についても書いておきましょう。

webサイトのパスワードは記載しておかなくても、登録アドレスや番号を設定しておけば再発行可能なものが多いです。
再発行に必要な情報のみを備考欄として記載しておく方が安心です。

ペットについて

大切なペットの世話が出来なくなる場合も想定しましょう。

・ペットの名前や生年月日
・血統書の有無
・いつものエサや好きなエサ
・病気の有無
・飼育場所
・かかりつけの動物病院
・ペット保険加入の有無

突然お世話が出来なくなることもありますので、ペットの情報はしっかり記載しておくべきです。

あなたが亡くなった後に誰に引き取ってもらいたいか、などの希望も書いておくとより良いです!

家族・親族のこと

あなたの大切な家族や親族の情報について書き留めておきましょう。

・家族・親族の名前や続柄
・住所や連絡先
・勤務先
・入院時や葬儀の際に連絡が必要な方
・家系図
・家族の命日
・家族や親族の冠婚葬祭

家族の情報だけではなく家族へのメッセージや想いなども記載しておいてもいいです。
普段恥ずかしくても伝えられないことなど、好きなことを書くことが出来るのもエンディングノートのいいところです。

家族との思い出の写真などを貼っておくのもいいですね。

友人・知人のこと

続いては知人や友人についてまとめましょう。

・知人の名前や関係性
・知人の連絡先
・入院時や葬儀時に連絡するかどうか

ノートとは別に携帯やパソコンなどに連絡先をまとめている場合は保存先も記載しておきましょう。

医療・介護のこと

病気やもしものときについて

この項目ではあなたの病気の情報や、重大な病気にかかった時の対応についてまとめます。

・かかりつけの病院
・アレルギーやかかっている病気、過去にかかったことのある病気
・常備薬について
・お薬手帳の保存場所
・病名や余命の告知をしてほしいかどうか
・あなたの治療方針について決めなくてはいけない場合に判断してほしい人
・延命治療への希望
・臓器提供について

もしもあなたが突然意識がなくなる病気にかかってしまった際には、飲んでいる薬や今までかかっていた病気などが非常に重要になってきます。
家族がその情報を医師にしっかり伝えてもらえるようにしておくと、その病気の治療にかかわってくることがあるので、早い段階で記載しておくのがいいでしょう。

またガンなどの重大な病気になると、病名や余命宣告するかどうかを家族に判断が求められることがあります。
場合によっては延命治療を行うかどうかその場で決めなければならない状況もあり、家族の負担が大きくなることが大きくなってしまいますね。
あらかじめあなたの意思を表明しておくと家族の負担を軽くすることが出来ます。

介護について

この項目では介護が必要になった場合の希望をまとめます。
介護は加齢や認知症などで徐々に必要になることもありますし、突然の事故や病気で急に必要になることもあります。

・介護を誰にお願いしたいか
・介護してくれる人に対する希望
・介護のための費用はどこから出すか
・財産管理を依頼したい人
・後見人の有無
・食べ物の好み
・身の回りにおきたいもの、大切なもの
・趣味など

介護はあなたにとっても、介護してくれる方にも重い負担を強いることになります。
辛くなった場合は介護士に依頼してほしいこと、老人ホームでも生活したいことなど具体的に記載しましょう。

また介護をしてもらう引け目から、あなたの希望も言いにくくなることがあるでしょう。
あらかじめ好みや希望などを書いておくと家族も気兼ねなく配慮できますね。

葬儀・お墓のこと

あなたが亡くなった後の葬儀やお墓のことをまとめておきましょう。

葬儀について

あなたの死後、あなたの葬儀について希望をまとめておくようにしましょう。

・葬儀の規模や方法
・葬儀の宗教について
・葬儀の業者や会場
・葬儀の流れの希望
・喪主や世話役、挨拶をお願いしたい人
・戒名(法名)について
・棺に入れてほしいものや服装について
・遺影の写真やデータ

終活するにおいて、やはり考えることは自分の葬儀のことかと思います。
参列してほしくない方など、希望があれば今のうちに記載しておきましょう。

お墓について

・希望するお墓
・お墓の所在地や連絡先
・お墓を承継してほしい人
・お墓や供養にかかる費用について

お墓の希望についての希望もまとめましょう。
先祖代々のお墓が無ければ新規のお墓を探したり、合葬墓や自然葬など希望があれば書いておきましょう。

相続・遺言のこと

相続や遺言の希望があれば書いておきましょう。

・遺言書の有無や保管場所
・遺言書の種類(自筆証書遺言や公正証書遺言)
・依頼している専門家

なおエンディングノートに書かれたことは家族の参考情報になりますが法的効力はありません。
ですが遺言書の有無や保管場所を家族にお伝えしておくと探す手間や時間が省けます。
また遺言書の存在を知らずに家族が遺産分割協議をしてしまったりするのを防ぐことが出来ます。

まとめ

今回はエンディングノートの書き方についてまとめました。

エンディングノートは何歳から書き始めてもいいですが、すぐに始められる終活の一環となります。
30歳代から興味がある人も多く、あなたの人生をまとめる意味でもエンディングノートを始めてみましょう。

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